三菱商事(8058)が8日発表した2015年3月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比11%増の4005億円だった。金融ビジネス事業など非資源分野が好調で、資源価格の下落による資源分野の苦戦を補った。市場予想の平均であるQUICKコンセンサス(23日時点、16社)の4044億円には届かなかった。
全体の純利益のうち、非資源分野の純利益は33%増の3145億円だった。インフラ向け投資やリースなど新産業金融事業が好調だった。
資源分野の純利益は26%減の854億円だった。原油価格の下落で北米や欧州のガス・石油開発事業で減損損失を計上したことが重荷となった。
併せて16年3月期の連結純利益は前期比10%減の3600億円の見通しだと発表した。市場予想平均のQUICKコンセンサス(23日時点、16社)は3958億円。昨秋に買収したノルウェーのサケ養殖・加工大手、セルマックなどが寄与するものの、前期に保有するローソン株の値上がりで過去に減損処理した約600億円戻し入れた効果がなくなる。年間の配当は前の期比14円減の56円とする。前期には記念配10円があった。
一方、最大1000億円の自社株買いをすると発表した。取得した自社株は消却する方針だ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕