中国科学院南京地質古生物研究所が15日に明らかにしたところによると、中国、英国、米国など複数の国の古生物学者がこのほど内蒙古(内モンゴル)自治区で、今から3億年前の古代の木「Paratingia wuhaia」を発見した。この松ぼっくりのような果房と杉の葉のような葉がある木は、石炭を形成する主な植物の一つだ。新華社が伝えた。
同研究を担当した中国科学院南京地質古生物研究所の王軍研究員によると、この新たに発見された古代の木の化石は、内モンゴル自治区烏達炭田で見つかった。約3億年前の同地域は雨が多く、日差しが豊富な沼沢・森林だった。当時急に大規模な噴火が発生し、火山灰が隆盛を極めた森林王国全体を「封印」した。これはParatingia wuhaiaを含む多くの古代植物が化石になり、現在まで残っている理由だ。
科学研究者は化石により、Paratingia wuhaiaの様子を復元してみた。この木の高さは5−6メートルで、下半分は何も生えない幹となっており、幹の上端には葉と繁殖器官の果房が生えている。果房は円柱形で、直径は約1センチ、長さは約10センチで、繁殖用の胞子がびっしりついており、松ぼっくりを長くしたように見える。一方で、Paratingia wuhaiaの葉の形は、現在の杉の木の葉に似ている。
科学研究チームはさらに、Paratingia wuhaiaが胞子植物の繁殖方法と裸子植物の木材構造を兼ね備えており、この2種類の植物の間の移行種であることを明らかにした。王氏は「実際の進化は、下等生物が直ちに高等生物に取って代わられるというプロセスではない。Paratingia wuhaiaを始めとするこの移行植物は、より高等の種子植物が現れた後も1億1000万年生存した。これらは沼沢・森林のその他の植物と共に、現在の人々によって掘削・使用される石炭を形成した」と述べた。
関連研究成果はこのほど、「米国科学アカデミー紀要」(PNAS)に掲載された。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年3月16日