去る4月22日、ついに日経平均株価が15年ぶりに終値で2万円の大台を奪還した。翌23日には一時2万252円まで上昇する場面もあり、市場関係者からは「なお上値余地がある」との声が多く聞かれた。ところが、4月30日には一転して寄り付き段階から大幅に値を切り下げる展開となり、結局、同日の終値は前日終値比で538円もの大幅安となった。チャート上では、4月22日~28日のロウソク足(日足)が"離れ小島"のように上方に取り残される「アイランド・リバーサル」が出現し、弱気ムードが一気に強まる中での連休入りとなった。そして連休中は、米国でもNYダウ平均が1万8000ドルの大台を割り込む場面を目の当たりにし、米景気の先行き不透明感が少々強まる状況となった。
かねて、「Sell in May(5月に株を売れ)」などとよく言われるが、果たして今後の日米株価は、そんな"アノマリー"を地で行くことになるのだろうか。振り返ってみると、近年の「5月」はどうだったのか。過去を検証しつつ、今後の行方を展望しておきたい。
日経平均株価は5月頃に調整しやすい!?
思えば、昨年(14年)は年初から5月下旬にかけて、長らく日経平均株価はさえない展開を続けた。
下図にも見るとおり、前年(13年)12月に1万6000円超の高値をつけて反落してからは、しばらくジリ貧とも言える状況が続き、5月下旬には一時的にも1万4000円割れの水準まで値を下げた。その後は徐々に持ち直し、9月には再び1万6000円台を回復するものの、10月初旬から10月半ばにかけては一旦大きく調整。その後は"日銀バズーカ第2弾"の強い後押しもあって、12月には1万8000円台を回復する展開となった。
今年3月更新の本欄(「足元で進む日本株高~その要因を整理して今後を見通す」)でも述べたが、実のところ海外投資家は14年の初頭から日本株と距離を置くようになり、そうした状態は基本的に15年2月の第1週まで続いた。それは、アベノミクスの先行きに対する海外勢の期待が萎え、失望感が日増しに強く漂うようになっていったからで、その間は国内の信託銀行(年金勘定)や事業法人、個人(信用)などが日本株を買い支えていた。最終的に海外投資家は14年に通年で日本株を8527億円買い越したが、その規模は前年(13年)にみられた15兆円もの買い越しには遠く及ばない。
海外勢による15兆円もの日本株買い越しというのは過去最大規模であるが、そんな13年においても日経平均株価は、5月下旬から6月半ばにかけては大きく調整している。周知のとおり、これはいわゆる「バーナンキ・ショック」によるところが大きいわけだが、結果的にアノマリーを地で行く格好となったことは紛れもない事実である。
では、まだアベノミクスの影も形も存在しなかった12年はどうであったか。図を見ればわかるように、この年も日経平均株価は3月に1万255円の高値をつけて反落し、そのまま6月初旬につけた安値(8238円)まで大きく下押ししている。
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