【フランクフルト=加藤貴行】スウェーデンの高級車メーカー、ボルボ・カーは11日、計画中の米国新工場をサウスカロライナ州に建設すると発表した。今秋に着工し2018年に年産能力10万台で稼働、最大4千人の雇用を見込む。同社は中国自動車大手の傘下で経営を立て直しており、地盤の欧州、13年稼働の中国に次いで世界3極の供給体制を整える。
新工場は同州南東部チャールストン郊外に建設し、主に米国内に出荷し輸出もする。投資額は5億ドル(約600億円)。ボルボ・カーは14年の世界販売台数が13年比9%増の47万台と好調ななか、米国の出遅れが目立つ。自動車関連企業の集積が進むサウスカロライナ州での現地生産を機にテコ入れを図る。
同社は20年までに世界販売を80万台に引き上げる計画だ。欧州は市場全体の回復もあり好調で、中国では親会社の浙江吉利控股集団の資本力を生かしながらブランドを浸透させてきた。