【NQNニューヨーク=川内資子】12日の米株式相場は続落した。ダウ工業株30種平均の終値は前日比36ドル94セント(0.2%)安の1万8068ドル23セントだった。ドイツなど欧州国債相場の下落(利回りは上昇)につれて、米長期金利が早朝に急上昇した。金利上昇が米景気の回復を妨げかねないとの警戒感から、米株式への売りが優勢となった。
長期金利の指標となる米10年債利回りは早朝にほぼ半年ぶりの高水準を付けた。急速な金利上昇は投資家や企業、家計の資金調達コストを増やすため、米景気の押し下げ圧力なるとの警戒感が強まった。ダウ平均の下げ幅は一時180ドルに達した。
米金利上昇が一服すると、株式相場は下げ幅を縮めた。ダウ平均は午後に前日終値を上回って推移する場面もあった。
ナスダック総合株価指数は同17.384ポイント(0.3%)安の4976.189で終えた。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「素材」や「IT(情報技術)」、「ヘルスケア」など8種が下落。一方、「エネルギー」と「電気通信サービス」は上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億1000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約16億6000万株だった。
インターネットサービスのAOLを買収すると発表した通信のベライゾン・コミュニケーションズが小安い。中国で販売価格を引き下げると発表した自動車のゼネラル・モーターズ(GM)が下落。石油関連事業の売却を発表した金融のモルガン・スタンレーも売られた。四半期決算で売上高が市場予想を下回った衣料のギャップが大幅安となった。ダウ平均の採用銘柄では半導体のインテルや製薬のメルクが安い。
一方、AOLは急伸。メリーランド州での顧客への直接販売が承認されたと伝わった電気自動車(EV)のテスラ・モーターズも上昇した。映画・娯楽のウォルト・ディズニーや小売りのウォルマート・ストアーズもしっかり。