【NQNニューヨーク=古江敦子】12日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の6月物は前日比1.50ドル高の1バレル60.75ドルで終えた。石油輸出国機構(OPEC)と米エネルギー情報局(EIA)がそれぞれ発表した12日付の月報で、2015年の世界の石油需要見通しを前月から上方修正した。需給の緩みが解消に向かっているとの観測が買いを促した。
EIAが11日に公表した掘削生産性リポートも改めて買い材料視された。主要なシェールオイル・ガス鉱区の一部で6月の生産量が減る見通しが示され、米国の供給過剰に歯止めがかかりつつあるとの見方が強まった。
外国為替市場でドルがユーロに対して下落した。ドル建てで取引される原油の割安感が増し、買いを誘った面もあった。
ガソリンは反発。ヒーティングオイルは4営業日ぶりに反発した。
一方、金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である6月物は前日比9.4ドル高の1トロイオンス1192.4ドルで終えた。米株式相場が軟調に推移し、欧米の長期金利は大きく上昇する場面があった。金融市場の不安定な値動きを警戒するムードが広がり、運用リスクを避ける目的で買われやすい金に資金が向かった。
ドルがユーロに対して下げ、ドルの代替投資先とされる金に買いを促した面もあった。
銀、プラチナも反発した。