原子力規制委員会の有識者会合は13日、北陸電力志賀原子力発電所(石川県)の敷地内にある断層について「活断層である可能性を否定できない」との見解で一致した。次回以降の会合で正式な評価をまとめる。有識者会合の議論だけでただちに廃炉を迫られることはないものの、大規模な対策が必要になる可能性もあり、再稼働の遅れにつながりそうだ。
志賀原発は敷地内に複数の断層が走る。このうち1号機建屋の直下を走る「S―1断層」や、西側にある「S―2断層」「S―6断層」が地盤のずれを引き起こす活断層かどうかが焦点になっていた。
規制委の石渡明委員のほか、産業技術総合研究所の重松紀生主任研究員ら4人の外部専門家で構成する有識者会合では、過去の掘削調査のデータなどからこれらの断層は活断層であることが否定できないとの認識で一致。断定は避けつつも「活断層ではない」とする北陸電の主張を退けた。
直下に活断層のある原発は運転を認められないため、今後、仮にS―1断層が活断層であると断定されれば1号機は廃炉を迫られる可能性がある。S―2、S―6断層も冷却水を取り込む配管と交差しており、規制委の判断次第では大規模な対策工事が必要になる。
北陸電は同原発2号機について再稼働に向けた安全審査を規制委に申請済みだが、活断層である可能性を否定できないと審査合格は難しい。
北陸電の金井豊副社長は有識者会合の見解について「仮定に基づく推論が多かったように思う」と述べた。安全審査などの場で反論の機会は与えられる見通しで、改めて規制委側に説明する構えだ。