東海、東南海、南海地震の3連動で起きたとされる宝永地震(1707年)に匹敵する巨大地震が、過去約7300年の間に6回発生していたことが三重県南部の池の津波堆積物調査で分かったと、高知大と名古屋大のチームが13日発表した。
堆積物の層が最も厚かったのは、約2千年前に巨大地震の津波で運ばれたとみられる部分。チームは既に高知県土佐市や徳島県阿南市、三重県尾鷲市などで30以上の池を調べ、多くの池で約2千年前の厚い層の堆積物を確認し、マグニチュード8.6(推定)の宝永地震より大きな地震があったとみている。
宝永地震は南海トラフ沿いで起きた最大級の地震とされるが、チームの岡村真・高知大特任教授は「宝永よりはるかに大きな地震が起きていた可能性があることを認識し、防災対策を考えるべきだ」と話している。
三重県南伊勢町の池では、仁和地震(887年)や約2千年前など六つの津波の痕跡があった。このほか、宝永地震より小さい規模の地震によるとみられる堆積物が十数回分確認された。約2千年前の津波の痕跡は三重県大紀町の池でも見つかった。〔共同〕