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医師9割「刑事罰に不安」 10月から新事故調制度

新たな医療事故調査制度が10月に始まるのを前に、医師専用の情報交換サイトを運営する「メドピア」(東京)が「医療事故の刑事罰」に関する意識を会員の医師に聞いた結果、回答した計3820人のうち約9割(3466人)が「不安を感じる」と答えたことが16日、分かった。


10月からの医療事故調査制度では、「刑事責任追及や民事訴訟に利用される」との医療側の指摘を受け、遺族への調査報告書交付が「努力義務」にとどめられた。今回の調査でも、刑事責任追及に対する医療関係者の懸念の強さがあらためて浮き彫りになった。


一方、医療事故の遺族からは「医療側がきちんと対応すれば医師の刑事罰を望む遺族はほぼいない」として、公正な調査と十分な説明を尽くすよう求める声が出ている。


今回の調査は3月にメドピアがサイト上で実施。刑事罰に不安とした理由は、回答した3466人の24.1%が「逮捕による社会的信用の喪失、失職」とした。ほかに「報道による社会的信用の喪失」が22.3%、「裁判プロセスによる心理的負担」13.6%など。


コメントとして「事故防止対策は十分検討しているが、不安はある」「保守的な医療が中心となってしまう」などの意見が寄せられた。


医療事故で長男を亡くし、現在は病院の医療安全対策スタッフとして働く豊田郁子さん(47)は「刑事告訴に至るのは、病院が対応を拒むことで遺族が『事実を隠される』と不信感を抱く場合が大半ではないか。医師の不安は当然だと思うが、遺族に向き合って原因究明に努めれば、多くは刑事責任の追及にはつながらないはずだ」と話した。〔共同〕


▼医療事故調査制度 全国約18万カ所の医療機関と助産所を対象に10月から始まる新たな仕組みで、改正医療法に盛り込まれている。診察や検査、治療に関連した患者の予期せぬ死亡事例が起きた場合、新設される第三者機関「医療事故調査・支援センター」への届け出や院内調査、遺族への説明が義務付けられる。1999年に東京都立広尾病院で起きた薬剤誤投与で女性が死亡した事故などを契機に制度創設の議論が進められていた。〔共同〕


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