コープさっぽろは18日から、商品を宅配する配達車に自動体外式除細動器(AED)の導入を開始した。まずは道内10拠点の26台に配備し、12月までに全配達車両の約1割にあたる105台まで増やす。配達担当者が高齢者の異変に気づくケースが多く、AEDの搭載で緊急時の救命活動を支援する。
AEDは心臓に電気ショックを与えて正常な動きに戻す装置で、コープさっぽろは配達車の助手席に設置していく。すでに配達担当者1150人のうち約9割がAEDの使用方法や応急手当てについて講習を受けた。8月までに全員に講習を受けさせる。これとは別に、担当者が高齢者の異変に気づく力を養う独自のマニュアルも作成し、月に1回程度講習や事例共有をしている。
コープさっぽろは2010年4月に小樽市の高齢者見守りネットワークに参加。13年2月には道と高齢者見守りや子育て支援などで包括連携協定を結んでいる。15年3月末時点で道内113市町村と高齢者見守り協定を締結した。
同生協は毎週1回、ほぼ決まった時間に同じ担当者が商品を宅配するため、独り暮らしの高齢者などの異変に気づきやすい。10年4月以降、何らかの異変に気づいて通報した事例は約220件に上る。中島則裕専務理事は「AEDの搭載で、配達員の意識や気づきの能力を高めていきたい」と話す。