大分県宇佐市の宇佐神宮で27日、約2年半にわたる修繕が終わった本殿(国宝)にご神体が戻る「本殿遷座祭」が営まれた。宇佐神宮の遷座祭は、1937~41年の「昭和の大造営」に伴う遷座祭以来74年ぶり。28日まで執り行う。
一之御殿から三之御殿のご神体が、計3基のみこしに乗って仮殿から本殿に移動。たいまつが照らすだけの暗闇の中、白装束姿の市民162人がみこしを担いで歩いた。地元の小中学生による稚児行列を含め約300人が行列に参加した。
息子が稚児行列に参加したパート従業員、小崎かおりさん(46)は「息子の勇姿を見に来た。めったにない行事を見ることができてうれしい」と笑顔で話した。
2012年11月から、屋根の檜皮(ひわだ)をふき替えたり、経年劣化した装飾具をきれいにしたりするなどの修繕を施した。新しい姿になった本殿に移ることで、神の力も一新される「よみがえり」の意味も込められている。
宇佐神宮は全国4万社以上ある八幡社の総本宮で、八幡大神などが祭られている。〔共同〕