皇后陛下が春日大社に納める御簾(みす)=24日午後、京都市左京区、高橋一徳撮影
20年ごとに社殿を新たにする奈良・春日大社の「第60次式年造替(しきねんぞうたい)」で、4棟ある国宝の本殿につるす新しい御簾(みす)が24日、京都の工房で仕上がった。
1枚約1・8メートル四方。竹ひごに岩絵の具(鉱物からつくった顔料)の緑青を塗り、赤の絹糸で編んだ。上部の布には淡い橙(だいだい)や青の糸で花などを刺繡(ししゅう)。御簾は式年造替のたびに新調し、皇后陛下が奉納する。チョウ形など98個の金銅の飾り金具は、大正天皇の皇后が納めたものを使い続けている。工房「みす平」(京都市左京区)の前田平八さん(58)は「全国の神社の御簾を手がけてきたが、これほど豪華なものはまずない。無事にできてほっとしています」と話した。
11月6日には、仮殿にうつっている祭神を戻す「本殿遷座祭」を営む。11~13日に特別参拝(無料)がある。(栗田優美)