29日早朝の東京外国為替市場で円相場は5日続落して始まった。8時30分時点では1ドル=123円73~76銭近辺と、前日17時時点に比べ10銭の円安・ドル高水準で推移している。前日のニューヨーク市場で、4月の住宅関連指標が市場予想を上回ったことなどから米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げが意識され、円売り・ドル買いが進んだ流れを引き継いだ。
8時30分に発表された4月の全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合で、消費増税の影響を除いた上昇率が前年同月比で横ばいだった。市場予想では0.1%程度の下落を見込む声が多かった。一時123円72銭近辺まで円は下げ渋ったものの、「さほど驚きはなかった」(国内銀行)との声もあり、勢いは続かなかった。
8時30分すぎに甘利明経済財政・再生相が1ドル=123~124円の円相場の水準について「過度な円安というところまではいっていない」と述べたと伝わったが、相場の反応は目立たなかった。
円はユーロに対して4日続落して始まった。8時30分時点では1ユーロ=135円70~75銭近辺と、同43銭の円安・ユーロ高水準で推移している。前日の海外市場で、欧州連合(EU)などによるギリシャへの金融支援の交渉が近くまとまるとの思惑が広がって円売り・ユーロ買いが優勢だった流れを引き継いだ。
ユーロの対ドル相場は3日続伸して始まった。8時30分時点では1ユーロ=1.0967~70ドル近辺と、同0.0026ドルのユーロ高・ドル安水準で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕