島根県益田市で7日に開かれた講演会で体調不良を訴え、救急搬送された石原慎太郎元東京都知事(82)は8日、病院を出た。
羽田便に乗るため姿を現した石見空港で記者団に「講演会で早口で話しすぎて、脱水症状を起こしたようだ。迷惑を掛けて申し訳ない」と話した。
体調を問われると「どっこい生きてるよ」と軽く手を上げて笑顔で答えた。車から降りた後は、支えられることなく1人でゆっくりと歩き、搭乗口に向かった。
7日の石原氏の様子に関し、講演開始から約30分後に不調を訴え、講演を中断していたことも複数の参加者への取材で分かった。
参加者によると、石原氏は7日午後3時半ごろから益田市内の施設で、地元の青年会議所が主催した講演会で話し始めた。30分が過ぎたころに後頭部を押さえながら「あれ、おかしいな」「前に脳梗塞をやったから」などと繰り返し、水を頻繁に飲み、ろれつが回らない様子だったという。
午後4時10~15分ごろ、「深呼吸をしてくる」と言い、講演を中断し、1人で歩いて舞台袖に退いた。その後、主催者側の男性が119番し、午後4時40分ごろ、救急車で益田赤十字病院(益田市)に搬送された。
益田広域消防本部によると、搬送時に石原氏は意識があり、「頭が重たい感じがする」と話していたという。〔共同〕