北京の新型コロナウイルス感染のクラスター発生地となった食品卸売市場・新発地市場の関連感染者のうち、最初に治癒した何さん(男性、56)が29日午前、退院した。人民日報が報じた。
北京市西城区に住む何さんはバスの運転手で、6月3日に、新発地市場の牛・羊肉棟で羊肉を購入した際、そこに約20分間とどまった。そして、2日後に倦怠感を覚え、12日に発熱。熱は約38.0度まで上がり、病院で受診した結果、翌13日に新型コロナウイルス感染陽性が確認され、北京地壇病院の応急5区に入院した。翌日、熱は39.8度まで上がり、痰はないが咳症状がみられ、解熱などの対処療法が行われ、16日には体温も正常値に戻った。さらに、臨床症状、画像診断、化学検査指数などが数日で相次いで好転し、21日と26日の二度のPCR検査で陰性が確認され、退院基準をクリアした。
6月28日、退院できることを知った何さんは大いに喜んだ。「なぜ感染してしまったのか?」との質問に、「第一波が収束したと思って、気を緩めてしまった。暑いので、市場に行った時、時々息をつこうとマスクを手でずらしていた。そんなちょっとしたことが、感染するきっかけになったのだと思う」と話した。
幸いにも、何さんの妻や子供、80過ぎの母親は感染していなかった。また、新型コロナウイルス感染防止対策のため、最近は出社しておらず、会社の同僚には接触していなかったため、二次感染も起きておらず、「安心した」と何さん。
入院中について聞かれた何さんは、「医療関係者がとても親切にしてくれたし、食事も良かった」と語り、メディアを通して、「絶対に気を緩めてはならない。みんなに感染防止対策をしっかりしてもらいたい」と注意を呼び掛けた。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年6月30日