【ベルリン、ソウル=共同】韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は12日、ベルリンでドイツのシュタインマイヤー外相と会談した。聯合ニュースによると、尹氏は国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会の議長国のドイツに、韓国が世界遺産登録に反対する「明治日本の産業革命遺産」に対する「積極的な役割」を要請した。
韓国は遺産の対象施設の一部について、朝鮮人の強制徴用の歴史を明確にするよう日本側に求めており、ドイツにも日本への働き掛けを求めたとみられる。
同ニュースによると、シュタインマイヤー氏は「世界遺産の精神と趣旨に合う方向で、日韓が合意に至ることに期待している」と述べた。
尹氏は13日には委員国のクロアチアも訪問。韓国の立場へ理解を求める外交を本格化させる。
産業革命遺産については、ユネスコの諮問機関が5月、福岡など8県にある23施設の世界遺産登録を勧告。しかし、韓国はこのうち7施設で強制徴用された朝鮮人が働かされていたとして、登録に反対している。
登録の可否は、7月3~6日(日本時間)にドイツ・ボンで予定されている世界遺産委員会の審査で決まる。合意がまとまらず投票になれば、投票総数の3分の2以上の賛成が必要になる。
日本は韓国とも2度協議し、遺産の対象年次は「1850年代から1910年」で、徴用があった1940年代とは異なるとして理解を求めたが、韓国側は「(強制徴用の)歴史を反映させるよう」要求、議論は平行線のままだ。