オーストラリア議会は28日、外国の政府や政府系企業などの代理人となる場合に登録を義務づける法案を可決した。外国政府と協力して政策決定に影響を与えた場合に懲役刑となる別の法案も可決。中国の関与が指摘される政界工作への懸念が背景にある。
可決された「外国影響透明化法案」では、外国の政府や政府系企業の代理人として議会でロビー活動などをする場合に登録を義務づけ、登録しなかった場合には最大7年の懲役刑が科される。
また、外国政府と協力して政治家らに働きかけ、政策決定のプロセスに影響を与えた場合、最大20年の懲役刑となる刑法とその関連法の改正案も可決。この改正案では、サイバー攻撃などを念頭に、外国政府の指示を受け、電力・通信施設に破壊活動をした場合、最大25年の懲役刑となる条項も盛り込んだ。
豪州では近年、中国政府と関係があるとされる中国人実業家らの献金を受けた政治家らが「親中政策」を吹き込まれている、との懸念が指摘されていた。(シドニー=小暮哲夫)