世界文化遺産への登録勧告を受けた「明治日本の産業革命遺産」のうち、北九州市などにある官営八幡製鉄所(現新日鉄住金八幡製鉄所)の4施設が15日、報道陣に公開された。稼働中の施設を含むため普段は非公開。新日鉄住金は「世界遺産に決まれば、バスツアー受け入れなどの形で施設の公開を前向きに検討したい」と表明した。
公開を検討するのは、同製鉄所創業2年前の1899年(明治32年)に完成した「旧本事務所」など同市内の3施設。製鉄所構内の旧本事務所眺望スペースについても、禁止している写真撮影を認める方向で検討する。
この日公開した4施設のうち現在も稼働しているのは「遠賀川水源地ポンプ室」(福岡県中間市)と「修繕工場」(北九州市)。
ポンプ室は往時のままのれんが造り。建屋に入ると、うなるように響く動作音が製鉄所に使う水の約7割を送っていることを実感させる。
修繕工場は1900年に建設した国内最古の鉄骨建造物とされる。天井には100年以上稼働するクレーンがあり、係員が合図すると「ゴー」と音を立てて動き出した。