【NQNニューヨーク=川内資子】17日の米株式相場は続伸した。ダウ工業株30種平均の終値は前日比31ドル26セント(0.2%)高の1万7935ドル74セントだった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を受けて、先行きの米利上げペースは緩やかにとどまるとの観測が広がった。株式市場への資金流入が続くとの期待から買いがやや優勢となった。
米連邦準備理事会(FRB)はFOMCで市場予想通り、事実上のゼロ金利の据え置きを決めた。同時に公表したFOMC参加者による政策金利見通しから市場では、FRBが年内に最初の利上げを始めた後はゆっくり利上げを進めると示唆したとの受け止めが多かった。発表後の米長期金利の低下もあり、株式市場への資金流入は続くとの見方から株式に買いが入った。ダウ平均の上げ幅は一時93ドルに達した。
FOMC声明を受けた買い一巡後は相場は伸び悩んだ。イエレンFRB議長がFOMC後の記者会見で、政策運営は経済指標次第と改めて強調した。利上げ開始時期などはなお読み切れないとして、追加的な買いは見送る動きにつながったという。ギリシャの債務問題を巡る不透明感も相場の重荷になったとの指摘があった。
ナスダック総合株価指数は同9.328ポイント(0.2%)高の5064.881で終えた。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「公益事業」や「生活必需品」を筆頭に8業種が上昇。一方、「エネルギー」と「金融」が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億2000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約16億7000万株だった。
中国事業への投資拡大を発表したネットワーク機器のシスコシステムズが上昇。製薬のアラガンが買収を発表した同業のカイセラ・バイオファーマシューティカルズが急騰。アラガンも小高い。自社株買いの積み増しを発表したバイオ製薬のセルジーンは上昇した。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが高い。
一方、四半期決算で売上高や1株利益が市場予想を下回った物流のフェデックスが下落。前日に大きく上昇した医療保険のユナイテッドヘルス・グループは反落した。