【カイロ=共同】内戦状態のイエメンで、ハディ暫定大統領派を支援するサウジアラビア軍などは20日、南部アデンに少なくとも15回の空爆を実施した。フランス公共ラジオが軍事筋の話として伝えた。ジュネーブで開かれた国連仲介の和平協議が19日、停戦合意に至らず終了したことを受け、戦闘が再開したもようだ。
ハディ氏派と敵対するイスラム教シーア派系武装組織「フーシ」もアデン近郊を砲撃。軍事筋は病院関係者の話として、4人が死亡、数人が負傷したと話している。
ロイター通信によると、サウジ側は首都サヌアの空港近くにある基地やサウジとの国境付近の北部サーダ州も空爆した。
国連機関によると、イエメンではこれまでに戦闘で2600人以上が死亡。約2100万人が人道援助を必要としているという。
一方、サヌアでは、フーシが利用するイスラム教のモスク(礼拝所)で20日、自動車爆弾による爆発があり、ロイターによると、2人が死亡、6人が負傷した。フーシを敵視するスンニ派の過激派組織「イスラム国」(IS)による犯行とみられるが、犯行声明は出ていない。