四川省内江市威遠県の国家南方・連界サッカー試合・練習拠点はこのほど、四川涼山彝(イ)族自治州からきた中国初のイ族女子U-9サッカーチームを迎えた。中国新聞網が報じた。
サッカーの練習をする女の子たち(撮影・王磊)。
涼山イ族自治州布拖県の日比麽▲作さん(▲はにんべんに尓)は「サッカーをするのは初めてだけど、サッカーチームのメンバーに選ばれて、とてもうれしいし、感激している。チームが提供してくれる全てのものが、幸せを感じさせてくれる。祖国の栄光のためにがんばりたい」と恥ずかしそうに話した。
スポーツ貧困支援を推進する全国初のイ族女子サッカーチームが誕生
布拖県などの一部の地域は依然として貧しく、サッカー事業とスポーツ貧困支援事業を深く融合させて、貧困地域におけるサッカー普及、向上を促進するために、イ族をメインとする女子サッカーチームを立ち上げるという構想が持ち上がった。
寮で宿題をする女の子たち(撮影・王磊)。
今年9月から、四川省サッカースポーツ管理センターと四川省サッカー協会は、複数のコーチを布拖県や塩源県、越西県などに派遣して、県、郷、村の小学校に通う女の子の中からU-9チームのメンバー28人を選出した。
寮で遊ぶ女の子たち(撮影・王磊)。
四川女子サッカーチームの元メンバーで、同チームのメインコーチを務める陳華さんは、「山奥に行けば行くほど、逸材は少ない。かけっこすら普及していないような地域もある。今回選ばれた9歳の女の子たちは、閉鎖された環境で育ったため、サッカーを見たこともない子もいた。そのため、身体能力や頭の回転といった面を見て、選出した」と説明する。
サッカーコートで練習が始まるのを待つU-9のメンバー(撮影・王磊)。
陳さんは、「まず、子供たちと言葉で意思の疎通を図り、頭の柔軟性を見た。次に、体型や体、体つきを見た。そして、ジョギング、ジャンプ、機敏性、協調性、反応など、運動能力を見た。幅跳び、10メートル走、コーントレーニングなどを行って、サッカーに必要な短距離や瞬発力などテストした」と説明する。
練習をする女の子(撮影・王磊)。
涼山イ族自治州にも運動が大好きな子供たちが
陳さんは、「とても印象深い出会いだったメンバーも多い」とし、「例えば、塩源県塩井小学校の真っ黒に日焼けしたショートカットの蘇雲英ちゃん。『サッカーって知ってる?』と聞くと、『知ってる。サッカーがとても好き』という返事にとてもびっくりして、サッカーボールを渡してみると、彼女はサッカーができるわけではなかった。でも、サッカーが好きで、コートを走り回るのが好き」と、出会った時のことを昨日のことのように思い出していた。
練習の一環としてジャンプする女の子たち(撮影・王磊)。
越西県南城小学校から来た耿馨雨さんは、10メートル走のテストの時、転倒してしまった。しかし、陳さんは助けに行くのではなく、彼女がどうするのかを観察したという。すると、彼女はズボンをはたき、立ち上がって「もう一度走らせてほしい」と頼みに来たという。「ものやわらかでかわいい彼女にこんなガッツがあるとは予想外だった。それこそサッカーに必要な気質で、困難に直面しても泣くのではなく、立ち上がらなきゃいけない」と陳さん。
リレーの練習をするメンバー。
10月22日から20日間にわたる合宿が始まった。サッカーの練習のほか、勉強もしなければならないため、メンバーは同日、正式に入学して、通常の小学校の義務教育も受けている。
メンバーとゲームをするコーチ。
楽しそうに遊ぶメンバーを見ながら、「少しずつでいい。メンバーは実家を離れて練習し、実家に戻ったら、地元の人々の考え方を変えるのに一役買い、スポーツが貧困脱却をサポートしてくれることを願っている」と話す陳さんの目は希望に満ちていた。(編集KN)
チームメイトに囲まれて歌を歌う女の子。
「人民網日本語版」2020年10月27日