1日午前の東京外国為替市場で円相場は反落して始まった後、下げ幅を拡大した。10時時点は1ドル=122円52~54銭近辺と前日17時時点に比べ28銭の円安・ドル高で推移している。前日の海外市場で持ち高調整を目的とした円売り・ドル買いが優勢だった流れを引き継いだ。
国際通貨基金(IMF)のライス報道官がギリシャから支払期限を迎えても「返済資金を受け取っていないことを確認する」との声明を公表したが、市場の反応は限られた。ギリシャの債務問題を巡る警戒感は引き続き高いものの、市場では「ギリシャの支払いの遅れは織り込み済み」(国内証券)との声があった。世界株安の流れが一巡し「必ずしもリスク回避一辺倒ではないとの見方から、円を売り・ドルを買う動きが出ている」(同)との指摘もあった。
日銀は8時50分、6月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表し、大企業・製造業の業績判断指数(DI)がプラス15と3期ぶりに改善したと伝わったが、円相場の反応は限られた。
10時前の中値決済については、国内輸入企業による円売り・ドル買い注文が出たとの観測があり「ドルがやや不足気味だった」(国内銀行)との観測が出ていた。
円は対ユーロで伸び悩んでいる。10時時点では1ユーロ=136円37~48銭近辺と同15銭の円高・ユーロ安で推移している。前日の海外市場でユーロが幅広い通貨に対して下落した反動もあり「ユーロを買い戻す動きが出ている」(国内証券)との見方があった。
ユーロは対ドルで下げ渋っている。10時時点では1ユーロ=1.1132~35ドル近辺と同0.0036ドルのユーロ安・ドル高で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕