花粉症対策グッズの種類は増えている
本格的な花粉シーズンを前に薬局の店頭では対策グッズが目立ち始めました。花粉から身を守るさまざまな商品が増えています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
薬局大手のキリン堂千里山駅前店(大阪府吹田市)では1月下旬から、花粉症関連の専門コーナーを設けた。山本善也店長は「コーナー設置の時期は年々早くなっている」と話す。定番商品はマスクや内服薬、目薬。マスクはこの店舗だけで売り上げが前年の1・3倍に膨らむと予想する。
厚生労働省がまとめた冊子「的確な花粉症の治療のために」によると、花粉症の予防にはマスクやメガネなどの防御器具が有効だという。日本医科大の大久保公裕医師は「花粉は30マイクロメートルと小さいので、鼻とマスクの隙間から侵入する。顔にフィットするマスクが重要です」と語る。
花粉症対策の目薬や内服薬の市場も広がる。市場調査会社のインテージによると、国内の市場規模は2016年は506億円で、花粉の飛散量が多かった13年の508億円に迫る勢いだった。「アレグラFX」など一部の治療薬は16年11月から薬剤師不在でも買えるようになり、「薬の種類が増え、消費者認知が上がった」(インテージ)。
ロート製薬の16年の調査によると、1日のうちで症状がつらいのは「起床時」と答えた人が最多の26・3%で、日中の屋外での時間(23・9%)を超えた。そこで、花粉の舞い上がりを防ぐふとん用のスプレーや朝に効きやすい内服薬といった新商品も増えてきた。
日本気象協会の予測では、今シーズンの花粉の飛散量は九州地方から東海地方にかけて前年に比べて多いという。特に近畿地方は前年の3倍近くの量の花粉が飛ぶと予測されている。(新宅あゆみ)
■寝る前の服用がおすすめ
ロート製薬が昨年12月に発売した医薬品「アルガード 持続性鼻炎シールド24h」は、「エピナスチン塩酸塩」を配合し、くしゃみや鼻水などを抑える効果がある。花粉症の人の多くが起床時にくしゃみが起きたり、鼻がむずがゆくなったりする症状があるといい、就寝前に服用すれば朝の症状に効きやすいという。12カプセル入りで、1800円。
■角膜にも優しい目薬
参天製薬が昨年10月に発売した目薬「サンテ メディカルガード EX」は、目のかゆみを抑える「クロルフェニラミンマレイン酸塩」を配合した。このほか、目をこすった時にできる角膜へのダメージを修復する成分も入っているため、角膜のケアも期待できる。12ml入りで、1480円。
■つーんとしにくい鼻洗浄
小林製薬の「ハナノア シャワータイプ」は、鼻の中の花粉や雑菌を洗い流す洗浄器具だ。洗浄器具を鼻に入れて洗浄液を流し込み、そのまま液を鼻から出す。洗浄液を口から出すタイプと異なり、つーんとした痛みを感じることが少ないという。洗浄器具と洗浄液(300ml)で1千円。
■ふとんの花粉を固めて防ぐ
フマキラーが昨年12月に発売した「アレルシャット 夜ぐっすり朝すっきりミスト」は、ふとん用のスプレー。ジェルなどに使われる凝集剤が入っていて、寝る前にかけると、ふとんの周辺の花粉などを固めて舞い上がりを防ぐ。150ml入りで1500円。
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主なメーカーのおすすめ商品から選びました。価格は税別。
(きりとりトレンド)