新薬メーカーでつくる日本製薬工業協会(製薬協)は2日、降圧剤「ブロプレス」の広告に臨床研究データを不適切に使っていた問題で、厚生労働省から行政処分を受けた武田薬品工業を副会長を輩出できる企業から外したと発表した。「企業の役職を解任する」という形を取る。役職解任は除名、会員資格停止に次いで3番目に重い処分。過去に会長、副会長職を解任した例は、記録が残る1982年以降初めて。
副会長は5人体制で、武田からは長谷川閑史会長が就いていた。当面は4人で運営する。長谷川氏は2006年に副会長になり、10年から1年間、会長も務めた。
製薬協は不正問題が明らかになった昨年4月から、武田を役職停止処分としていた。伍藤忠春理事長は記者会見で「行政処分が出たことを加味して、役職停止より一段重い解任処分を決めた」と述べた。スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマの臨床データ改ざん問題では、武田より重い会員資格停止処分としている。
武田は2日、「処分を真摯に受け止め、関係者におわびする」との声明を出した。