世界の製薬大手が今週、新型コロナウイルスワクチンの関連開発状況を明らかにした。すでに10種類のワクチンが臨床試験の段階に入り、効果的だと証明されれば、最速で年内にも最初のワクチンが大量生産できるようになる。「第一財経」が伝えた。
来年の製造能力は1億本単位に達する
米製薬大手ファイザーとドイツの協力パートナーのビオンテックは5月5日、まもなくワクチンの臨床試験を開始し、第1期試験のデータを5月末までに取得すると発表した。試験が順調に進めば、年内にも米国でワクチン2千万本を製造する予定で、来年の生産能力は1億本に達するという。
フランスの製薬会社サノフィも5月6日、臨床試験の参加者を数千人募集する計画を明らかにした。同社と英国のグラクソ・スミスクラインは先月、新型コロナウイルスワクチン候補の共同開発を発表し、これまでに複数の国と今後の購入計画について話し合いを進めてきた。
このほか、英国の製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発したアデノウイルスベクターを活用したワクチンも第1期臨床試験に入り、5月には結果が出る見込みだ。臨床開発の年内スタートが期待される。
世界で研究開発が進むワクチン候補100種類以上のうち、すでに10種類が臨床試験の段階に入った。しかしより大きな挑戦は試験後の製造にある。サノフィの計画では、臨床試験がうまくいった場合、ワクチンを販売できるのは来年下半期だという。
サノフィのポール・ハドソン最高経営責任者(CEO)は先月、「人々がより注目するのはいつになったら効果的なワクチンができるかということだが、実際にはワクチンの生産能力に重点を置くべきだ。十分な数のワクチンを確保するために、製造の準備はできるだけ早く始めなければならない。ワクチンのデータが来年6月に公開されるなら、6月になってから製造の準備を始めるのでは遅く、1月には準備を始めていなければならない。私たちは来年の夏になっても十分なワクチンがないという状況は望まない」と述べた。