経済産業省は3日、7~9月期の鋼材需要が前年同期比3.4%減の2421万トンになる見通しだと発表した。国内は建設向けや自動車向けの減少が響き、前年同期比でマイナスになる見込み。輸出もアジアを中心とする競争激化で前年実績を下回る見通しだ。
国内需要見通しは2.6%減の1593万トン。普通鋼の部門別消費量では、建設部門が2.4%のマイナスになると予測している。内訳は土木が3.7%減、建築が1.7%減の見通し。土木向けは前年に公共事業による工事の前倒し発注があり、その反動が出る。建築向けもオフィスなど非住宅向けが高水準だった前年を下回る。
製造部門は1.8%のマイナスを見込む。規模の大きい自動車向けは2.9%減、産業機械向けは2.5%減となる見通し。産業機械向けは排ガス規制前の駆け込み需要の反動で、建設機械向けが落ち込む。
輸出は5.0%減の828万トンにとどまる見通し。普通鋼はアジアを中心に供給過剰が続いており、国内生産分の引き合いが落ち込み1.6%減となりそう。特殊鋼は前年にエネルギー関連の輸出が高水準だった反動で、17.2%のマイナスになる見込み。〔日経QUICKニュース(NQN)〕