中国自動車工業協会が13日に発表した統計データによると、2020年の中国の自動車生産量は2522万5千台で前年比2.0%減少し、減少幅は前年より5.5ポイント縮小した。販売量は2531万1千台で同1.9%減少し、減少率は6.3ポイント縮小した。年間販売量は12年連続で世界一の座をキープした。同協会の陳士華副事務局長は、「こうした数字には中国自動車産業の力強い回復力と中国経済の高い強靱性が十分に現れている」と述べた。
——年間生産・販売がともに2500万台を超えたのは、自動車市場の回復状況が予想を上回り、国民経済が安定回復するのにともなって、消費ニーズが急速に回復したことを反映している。
冬を迎えた広東省広州市南沙区はよく晴れた日が続き、まもなく稼働する広汽トヨタの4本目の生産ラインでは、設備の取り付け・調整作業がきびきびと進められていた。同社の黄永強副社長は、「広汽トヨタの3大工場の生産能力は60万台で、20年4月から限界を超えて生産している状態が続き、通年の完成車販売量は同12%増の76万5千台で、生産能力の稼働率は127.5%に達した。第4生産ラインが稼働すれば、生産能力の不足問題はかなり緩和されるだろう」と述べた。
統計データをみると、20年4月から、中国の自動車生産・販売は9ヶ月連続でプラス成長を達成し、販売量の増加率は7ヶ月連続で10%以上を保った。このうち商用車の生産・販売は9ヶ月連続で単月の最高を更新した。新エネルギー車の生産・販売は20年7月からプラス成長が始まり、12月には過去最高を更新し、通年の生産量は同7.5%増の136万6千台で、販売量は同10.9%増の136万7千台だった。陳氏は、「20年の中国自動車市場は世界の自動車市場における数少ない明るい話題になり、年間販売量の世界シェアは33%に上昇した」と述べた。
同協会の許海東チーフエンジニアによると、「21年の自動車販売量は同4%増の2600万台を超える見込みだ」という。
——年間生産・販売がともに2500万台を超えたことは、政府の関連当局が打ち出した政策の「ボーナス」と一連の有効な投資を拡大する政策措置によるところが大きい。
インフラ建設投資による牽引、これに自動車の汚染物質排出を規制する国3標準の要求によるボーナスが加わって、商用車の持続的で力強い成長が推進された。20年の中国の商用車生産量は同20.0%増の523万1千台で、販売量は同18.7%増の513万3千台だった。
——年間生産・販売がともに2500万台を超えたことは、企業が電動化、スマート化、ネットワーク化のチャンスをつかみ取ったこととも関係がある。
「これまではスマート電気自動車(EV)(のネット車載システム)がオンラインでバージョンアップできると聞いていただけで、まさか自分のガソリン車でもできるとは思わなかった」。このように話す王宇さんは北京で不動産評価の仕事をしており、20年12月1日、上汽通用汽車(GM)が初めて打ち出した車載ネットシステムのオンライン遠隔バージョンアップを体験した1人になった。
上汽通用汽車のスマートコネクテッドプラットフォームの王晨東執行ディレクターは、「新エネ車が世界の自動車産業と消費のモデル転換・高度化の主な方向性になると同時に、スマート化が自動車の変革・成長を促す主要な原動力になりつつある。昨年、上汽通用は3大ブランド・17シリーズの車載ネットシステムについてオンラインでのバージョンアップを行い、今後は1年に数回の頻度で更新を続ける」と述べた。
統計によると、20年には中国でスマートコネクテッドシステムを搭載した新車の割合は48.8%に達し、世界平均を3.8ポイント上回った。これと同時に、中国で条件付き自動運転機能を備えた乗用車の新車販売量は260万台に達し、同年の中国の乗用車新車販売量の約15%を占めた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年1月14日