住友ゴム工業は6日、スーパーコンピューター「京」などの最新設備を活用したタイヤ材料技術を2015年中に開発すると発表した。ゴム中の原子や分子の動きをリアルに把握し、タイヤの摩耗などをより正確に解析できる。16年以降に発売する自動車タイヤにシミュレーション技術を応用し、耐摩耗性や燃費の大幅な向上につなげる考えだ。
同社は12年から技術開発を進め、高い解析能力を持つ理化学研究所の大型放射光施設「SPring―8」、物質の構造を原子レベルで解析できる加速器実験施設「J―PARC」などを活用している。これらの設備を使えば耐摩耗性などタイヤの性能を大幅に向上できるとみている。
12年から利用が始まった「京」は1秒間に1京(京は兆の1万倍)回の計算ができる。住友ゴムは「京」の能力を最大限活用し、競争力のある新素材を使った省エネタイヤなどの開発をめざす。