【ヤンゴン=松井基一】ミャンマーの最大野党、国民民主連盟(NLD)は11月8日投票の総選挙(上下両院選)に参加すると発表した。党首で民主化指導者のアウン・サン・スー・チー氏(70)が11日、首都ネピドーで会見した。NLDを支持する一般有権者は多く、総選挙は同党と、上下両院で多数を占める国軍系の与党、連邦団結発展党(USDP)の二大政党を軸に展開しそうだ。
会見するアウン・サン・スー・チー氏(11日、ネピドー)
スー・チー氏は会見で「ミャンマーの民主化を進めるため選挙に参加する」と説明した。8月8日までに選挙管理委員会に提出する候補者リストには「若手や女性、少数民族などを優先して」載せると表明した。
総選挙の後には上下両院で国のトップである大統領を選ぶ。スー・チー氏は大統領就任への野心を公言してきたが、ミャンマーの現憲法では同氏に大統領に就く資格はないと解釈されている。同氏の2人の息子は英国籍で、外国籍の親族がいる人は大統領になれないとの条文があるためだ。
スー・チー氏は憲法を改正して大統領資格を得られない場合、NLDの総選挙参加を見送る可能性を示唆していた。だが、改憲に失敗。現憲法での総選挙で勝利し、政権に参画する道を探る方針に転換したとみられる。
スー・チー氏は国会で改憲案を否決した与党を「国民の声を無視した」と批判。「総選挙に勝利すれば憲法を改正する」と語った。「NLDとして独自の大統領候補を擁立する」とも述べた。