【ソウル=共同】朝鮮半島の南北軍事境界線に近い非武装地帯(DMZ)の韓国側で北朝鮮が埋設したとされる地雷が爆発した問題で、韓国軍関係者は11日、報復として北朝鮮に対する政治宣伝放送を開始したのに伴い、拡声器が設置された地域に最高レベルの警戒態勢を発令したと明らかにした。
放送は10日始まった。軍関係者は「(北朝鮮による)不意の挑発に応射できるよう、火力を補強している」と強調。無人偵察機や対戦車ミサイルなどの装備も増やし、監視体制を強化しているもようだ。
日本の植民地支配からの解放70年に当たる15日を前に、融和ムードを目指してきた南北間に緊張が高まっている。
韓国大統領府の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官は11日、記者会見で北朝鮮に対し、「謝罪し責任者を処罰するよう厳重に要求する」と強調。「不法に境界線を侵犯し地雷を埋設した明白な挑発で、(朝鮮戦争の)休戦協定と南北の不可侵に関する合意に違反するものだ」と批判した。
韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相も同日、国会議員らとの協議で「(韓国軍は)積極的にDMZでの主導権を掌握するための作戦を実施する」と述べた。