今月7日、四川省甘孜藏(カンゼ・チベット)族自治州理塘県は重慶で観光プロモーションを開催。爽やかさとワイルドさを兼ね備えて爆発的人気となっている丁真君の姿はなかったものの、ゲスト一人ひとりに、「スペシャルプレゼント」として、丁真君のアップ写真が載った観光ガイドブックが配られた。新華網が報じた。
丁真君が観光大使として、故郷の観光ガイドブックにその姿が載るのはこれが初めてだ。これで、丁真君は正式に理塘県の「顔」となった。
プロモーションでは、理塘の千戸藏寨イラストマップや4WDオフロードコース、クラフトビール、コーヒー、藏香(お香)、ヤクの乳で作った石鹸、藏薬浴(入浴剤)など、理塘県ならではの観光商品が紹介された。
理塘県国資集団公司の張璽董事長は、「当県の観光資源も丁真君の名前と同じで『リアル(真)』。最もリアルで、ピュアで、美しく、ワイルドな観光資源、風土、人情を届けたい」と語った。
理塘県のブレイクは始まったばかりだ。今年2月に貧困を脱却したばかりの同県の観光業は、丁真君が爆発的人気になったことで、立ち上がり始めたと言ってもよい。
観光サイト・携程網の統計によると、「理塘」の注目度は11月20日から急上昇し、11月最後の一週間の「理塘」の検索回数が620%増と激増した。これは国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた連休の時よりも4倍多い数字だ。
理塘県文旅体投資発展有限公司の杜冬冬総経理は、「辺鄙な場所にあり、標高が高く、アクセスや物流輸送が不便であるため、観光業を発展させなければ難関を突破できない」と語る。
張董事長も、「現在、当県の知名度は上がった。でも、市場転換率はまだとても低い」と指摘する。
知名度を活用して利益を出すために、丁真君がこのほど一肌脱いだ形だ。貧困脱却の成果を強化するために、中国中西部の辺鄙な地域はあの手この手を打っている。
この点、中国旅游研究院・長江旅游研究基地の首席専門家・羅茲柏氏は、「貧困地区は往往にして、手つかずの自然が残るエコロジカル観光資源が豊富に集まる場所。生態環境保護をベースに、インフラ整備を強化し、さらに、各種宣伝手段を活用して、日常から離れることのできる魅力ある場所を構築するべきだ」と指摘する。
どのようにして、「見物人」を「観光客」に変え、「注目度」を「持続可能な文化観光の消費パワー」に変えることができるのだろうか?
羅氏は、「重要なのは、供給と需要のバランス。観光地は、観光公共サービス、特にインフラ、ビジネス環境、公共管理、安全生産などを工夫し、強化しなければならない。また、『インターネット+』のコンテンツを深く発掘し、文化観光の『ソフト開発』を重視し、没入型の観光体験を打ち出し、ネット上の人気者がもたらした注目度を維持しなければならない」との見方を示す。
美しい花が咲きほこる季節に、理塘旅行にも「春」が訪れることを、期待したい。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年12月8日