【ヤンゴン=松井基一】ミャンマーの首都ネピドーで12日夜、政権与党、連邦団結発展党(USDP)の本部が数百人規模の警官隊によって封鎖された。現在も警官隊が、党本部への立ち入りを制限している。USDPの有力政治家が逮捕されたとの情報もある。背景は不明だが、一部地元メディアはUSDP内の権力闘争が原因と報道している。
USDPは旧軍事政権の流れをくみ、元軍人が中枢を占める。2010年秋の前回総選挙に圧勝し、11年春同党出身で元高級軍人のテイン・セイン氏が大統領に就任した。ミャンマーでは11月、総選挙が予定されるが選挙を前に党内でテイン・セイン大統領と、次期大統領を目指すシュエ・マン下院議長の主導権争いが激しくなっていた。
12日にはUSDPが記者会見を開き、テイン・セイン大統領が次期総選挙に参加しないことを明らかにした。テイン・セイン大統領に近い現職閣僚の一部もUSDPを離脱し、無所属で立候補する意向を示している。国内では主導権争いに敗れたテイン・セイン派が警察を動員し、巻き返しに出たとの観測が出ている。