政府が今国会での成立を目指す安全保障関連法案に反対する市民らが14日夕、国会議事堂周辺で集会やデモをした。プラカードやペンライトを掲げながら「強行採決反対」「戦争法案今すぐ廃案」などと声を上げた。
主催した「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は、参加者数を約4万5千人と公表した。警察関係者は約1万7千人としている。
政府・与党は19日からの大型連休前の成立を目指している。仕事が終わった後に夫婦で集会に参加した相模原市中央区の会社員男性(51)は「今週がヤマ場。集団的自衛権が発動され他国の戦争に加われば、戦後70年築いてきた平和が崩れかねない」と訴えた。
参加は4回目といい「子連れや若者の姿が次第に増えており、世代を超えて危機感が共有されていることを実感する」と話した。
宮城県多賀城市から新幹線で職場の同僚と駆けつけた薬局事務の女性(22)は「多くの国民の理解が進んでいない中で強行採決するなら許せない。一人の声の重みを伝えたかった」と話した。
一方、法案に賛成する市民が12日に東京・新宿で行った街宣活動には学生や主婦ら約200人が参加。「戦争法案ではない」「徴兵制はありません」などと約2時間にわたり、法案の必要性を呼びかけた。
主催した「守ろうニッポン!大行進実行委員会」の広報担当の主婦(35)は「米国に守られるばかりでなく、同盟国なら助けにいくことも必要なはず。法案反対の声ばかりが注目され、違和感があった」と話した。