東京電力福島第1原子力発電所事故からの復興状況を知ろうと、島根県海士町の県立隠岐島前高校の生徒12人が22日、事故で一時全村避難した福島県川内村を訪れた。地域再生に向け、企業誘致を図ったり、小学生が復興について考えたりしている現状を知り「頑張っている姿が伝わった」と話した。
川内村は現在も一部に避難指示区域が残るが、2012年1月に「戻れる人から戻ろう」と帰村宣言している。
生徒らは地元消防の職員から原発事故発生後の混乱した様子を聞き、小学校の校長からは、復興について考えさせる内容を授業に取り入れていると説明を受けた。
遠藤雄幸村長も講演し企業誘致などの取り組みを紹介。「復興とは、生きがいや誇りをどう取り戻すかに尽きる。自然豊かな生活を後世に引き継ぎたい」と語った。
隠岐島前高1年の服部紬さん(15)は「住民が減っても頑張っていて、活気あふれる場所だと分かった」と話した。
第1原発から30キロ圏にある福島県立ふたば未来学園高校(広野町)の生徒7人も一緒に回り、川内村出身の1年、遠藤健次さん(15)は「復興を進めようとする姿が伝わったと思う」と笑顔を見せた。〔共同〕