中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は28日の専門部会で、割安な後発医薬品(ジェネリック)の価格を下げることで一致した。医師など診療側と、健康保険組合など支払い側の委員が意見の一致をみた。これを受けて厚生労働省は2016年度から、後発医薬品の公定価格を引き下げる方針だ。
厚労省は現在は新薬の60%と定められた価格の水準をさらに下げる見通しだ。医療費の膨張を抑えるとともに、患者の負担を軽くするのが狙い。年内に正式に決定する。
28日の専門部会では、大企業健保を運営する健康保険組合連合会の委員が「後発薬の普及を進めるためにも価格を下げる方向で議論すべきだ」と発言。日本医師会の委員も「後発薬の価格が新薬の50%の水準になってもメーカーは利益が出るのではないか」と述べ値下げを求めた。
医師など診療側の委員は政府の財政が厳しいなか、後発薬の価格引き下げで財源をひねり出し、医療機関が受け取る診療報酬を確保する思惑がある。健保連にとっても後発薬が広がれば負担の軽減につながる。
後発薬は特許が切れた新薬の成分でつくる薬。研究開発コストがかからないため価格も安い。政府は6月、後発薬の普及率(数量ベース)を13年度の46.9%から、20年度までに80%に引き上げると決めた。厚労省によると20年度の医療費を1.3兆円削る効果があるという。