国内水処理最大手のメタウォーターは28日、米水処理会社のアクア・エアロビック・システムズ(AAS、イリノイ州)を2016年1月に買収すると発表した。買収額は9千万ドル(約108億円)で、メタウォーターの買収案件で過去最大となる。国内の水処理市場が頭打ちのなか、安定成長が見込める米国市場の事業基盤を拡大する。
メタウォーターの米子会社、メタウォーターUSA(MUSA)を通じて買収する。買収資金は14年12月の東証1部上場に伴う調達資金のほか、一部を借入金で賄う。
AASの14年12月期の売上高は6885万ドルで、726万ドルの純利益をあげている。全米に代理店網をもち、下水処理場向け設備で高い実績を持つという。
MUSAは浄水場向け設備が強いため、今回の買収により米国の上下水道全般を対象に大型案件の受注を狙う。米国の上下水道市場は年平均3%の成長が今後も続くとされている。
日本国内の上下水道市場は少子高齢化や節水意識の高まりで成長が見込みにくい。メタウォーターは現在20億円程度の海外売上高を、18年3月期までに100億円に引き上げる計画を掲げている。