【ソウル=峯岸博】30日の日韓の一部報道によると、朴槿恵(パク・クネ)大統領は書面インタビューで、旧日本軍の従軍慰安婦問題について「今年中にこの問題が妥結することを心から望む」と述べた。米中が対立する南シナ海情勢に関しては「この地域における航行と飛行の自由は保障されなければならない」と韓国政府の従来の立場を繰り返した。
朴氏は11月2日にソウルで安倍晋三首相と初の2国間会談に臨む。
朴氏は今回の首脳会談について「両国が正しい歴史認識を土台に歴史を克服し、未来に向かって出発する転換点をつくるべきだ」と指摘。慰安婦問題では「日本政府が、被害者が受け入れ、我が国民が納得できる解決策をできるだけ早く示すことが重要だ」と日本側の譲歩に期待を示した。韓国の新たな提案には触れていない。
南シナ海情勢をめぐっては「紛争は国際的に確立された規範と関連する合意により平和的に解決されねばならない」と語った。同時に「地域の平和と安定に影響を与える行動を自制するよう国際会議などで強く求めてきた」と述べた。
慰安婦問題をめぐる朴氏の発言について、岸田文雄外相は30日の閣議後記者会見で「我が国の基本的な立場は変わっていない」と述べ、法的に解決済みとの立場を強調した。萩生田光一官房副長官は「前提条件をつけずに首脳会談を開催すべきだと繰り返し述べてきている」と語った。