日銀が12日発表した10月の国内企業物価指数(2010年=100)は101.5で、前年同月比3.8%下落した。比較の対象となる前年の物価が原油安の影響で下がっており、下落率は9月から0.2ポイント縮小した。前月比では0.6%下落と5カ月連続でマイナスとなった。
前月比で下落の大きな要因となったのは、電力・都市ガス・水道と石油・石炭製品だった。電力価格は夏季の割増料金がなくなった。石油価格は今年度に入ってからの一段の原油安を反映した。鉄鋼や非鉄金属も下落した。今後の動向について日銀は国際商品市況の動向次第で読みにくいものの「大きな下落はないだろう」(調査統計局)とみている。
前年同月比での下落率は縮小した。原油価格の急落を受けて前年の秋ごろから企業物価指数が大きく下がり始めたためだ。このため前年比のマイナス幅は当面は縮小傾向となりそうだ。
企業物価指数は企業同士で売買するモノの価格動向を示す。公表している814品目のうち、前年同月比で上昇したのは295品目、下落は395品目となった。下落品目と上昇品目の差は9月確報から縮小した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕