【ワシントン=川合智之】米中央情報局(CIA)のブレナン長官は16日の首都ワシントンでの講演で、パリ同時テロについて「過激派組織『イスラム国』(IS)が進める唯一の計画ではないだろう」と述べ、今後も同様のテロが起きる可能性があるとの見方を示した。テロの対象は「欧州だけではなく、米国も警戒しなければならない」と語った。
ブレナン氏は「ISの計画が特に欧州を狙っていたことは分かっていた」としたうえで、テロの予兆が事前に確認されていたのに攻撃を許したことについて「驚きはない」と述べた。ISを名乗るグループは16日のビデオ声明で「次は米首都のワシントンを攻撃する」と表明している。
ブレナン氏はISのテロ攻撃に備えて「前例のない水準の国際協力が必要だ」とも述べ、テロ情報共有などで各国に緊密な連携を呼び掛けた。
一方、米国防総省のクック報道官は16日の声明で、米仏の軍や情報機関がISの情報共有を強化することで合意したと表明した。共有内容は「現行法制度で認められる最大限の範囲」にわたるとしている。