愛媛県は19日、県が開発した柑橘(かんきつ)「甘平」を厳選し、新たなブランドとして売り出すと発表した。糖度や色などの品質基準を満たした上位10%を「愛媛Queen(クィーン)スプラッシュ」という名称で販売していく。高級感を高めることで、愛媛県が開発した高級かんきつ「紅まどんな」と並ぶ柱に育て、将来の輸出も視野に入れる。
県によると、甘平の卸売価格は1キログラムあたり約550円と2008年の発売当初(850円)と比べて値下がりしている。甘平の出来栄えにばらつきが大きいのが一因という。厳選した新ブランドは高級感を高め、卸売価格を1キログラム1000~1500円に引き上げることを目指す。新ブランドは来年1月から年間200トンを目安に百貨店などで販売する。
養殖を進める小型魚「スマ」や開発した黒毛和牛もブランドを高めるべく名称を決めた。スマは「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」と名付けた。マグロの中トロ以上に相当する脂肪含有量15%以上で重さが3キログラム以上のものを同ブランドで売り出し、マグロと並ぶ高級魚としてPRする。
黒毛和牛は「愛媛あかね和牛」と命名。赤身と脂肪のバランスを重視しており、健康志向の女性や高齢者にアピールする。20日からいよてつ高島屋(松山市)で限定販売を始める。