市場では、ECBは3日に開く定例理事会で景気や物価を下支えするために追加緩和に動くとの見方が多い。1日の欧州の株価指数はまちまちだったが、ECBの追加緩和への観測が米市場の心理を強気に傾けた。
12月は過去に相場が堅調に推移した例が多く、米株式は年末にかけて上がるとの見方が多い。前日まで下げた反動に加え、年末商戦の序盤でネット通販が好調だったとして米株式の買いを誘い、ダウ平均は取引終了にかけて上げ幅を広げた。
もっとも、相場は伸び悩む場面もあった。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した11月の米製造業景況感指数は市場予想に反して前月から悪化。好不況の境目とされる50を下回り、約6年半ぶりの低水準となった。米景気先行きへの警戒が高まり、相場の重荷となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE2EAE2E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX総合株価指数は反発。前日比47.640ポイント(0.9%)高の5156.306で終え、7月22日以来およそ4カ月ぶりの高値を付けた。検索大手グーグルの持ち株会社/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EAE7EAEBE2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXアルファベットやマイクロソフトなど時価総額/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE0E7E7E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXの大きいハイテク銘柄が大幅高となり、指数を押し上げた。
業種別S&P500種株価指数は全10業種が上昇した。「ヘルスケア」の上昇率が最も大きかったほか「金融」や「IT(情報技術)」なども上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億7000万株(速報値)、ナスダック市場は約19億5000万株(同)だった。
個別銘柄ではインターネット小売り大手のアマゾン・ドット・コムが高い。タブレット(多機能携帯端末)など自社で開発した製品が年末商戦の序盤で好調な売れ行きだったと発表し、ネット通販が好調なこともあって業績拡大を期待した買いが入った。
同業の買収発表が好感された寝具販売のマットレス・ファームが大幅高となった。ダウ平均の構成銘柄では医療保険のユナイテッドヘルス・グループのほかメルク、ファイザーなど製薬大手が上げた。
一方、建機のキャタピラーは安い。中国での製造業景況感が低水準にとどまり、業績への悪影響が警戒された。ダウ平均ではアップルも下落した。2016年9月期通期の売上高見通しを公表した自動車部品や空調管理システムを手掛けるジョンソンコントロールズも売りが優勢だった。