2020年、私たちは絶えず歴史を目撃している。米株式市場でサーキットブレーカーが複数回発動されたのを見たのに続き、今度は「原油のマイナス価格」をこの目で見た。中国新聞網が伝えた。
現地時間の4月20日、国際市場の原油価格は過去最低を更新し、米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物の期近5月物は暴落して過去最低を記録するとともに、史上初めてマイナス圏に陥った。
同日、まもなく期日を迎えるWTI原油先物の期近5月物は約300%暴落し、1バレルマイナス37.63ドル(1ドルは約107.4円)で終わった。石油先物取引が1983年にニューヨーク・マーカンタイル取引所で取り引きされるようになってから、マイナスになったのはこれが初めてだ。同日には6月物の取り引きが行われている英国・ロンドン市場のブレント原油先物も2.51ドル下落して1バレル25.57ドルとなり、下落幅は8.94%だった。
なぜ暴落し、「マイナス価格」出現か
ゴールドマン・サックスは、「原油価格の下落は石油市場の過去に例のない供給過剰の反映だ」との見方を示す。
市場アナリストは、「石油輸出国機構(OPEC)と主要産油国の減産は5月1日に始まるにもかかわらず、最近は新型コロナウイルスの影響により、石油ニーズが大幅に減少して貯蔵量が急激に増加し、市場の需給バランスが大きく崩れて、原油価格が下落した」との見方を示す。
国際通貨基金(IMF)の最新の報告では、20年にグローバル経済の規模は3%縮小するという。OPECが先週発表した月次石油市場報告は、20年は世界の1日あたりの石油ニーズが685万バレル減少し、原油価格が乱高下した09年と世界金融危機以降で初めてニーズが減少した年になる見込みだ。また4月は世界の石油ニーズが1日あたり2千万バレル減少し、過去最大の減少幅を記録する見込みだ。