国連経済社会理事会(ECOSOC)は13日に米国・ニューヨークの国連本部で、2020年中期の「世界経済状況・予測」報告書を発表した。それによると、新型コロナウイルスの感染拡大という大きな背景の中、2020年の世界経済成長率はマイナス3.2%になることが予想される。世界経済にとって1930年の大恐慌以降で最も大幅な縮小になる。中国新聞社が伝えた。
同報告書によると、基準値シナリオの下で、先進国の国内総生産(GDP)成長率は20年にマイナス5.0%となり、発展途上国の生産は0.7%減少する見込みだ。世界全体で20-21年の生産の損失は累計8兆5千億ドル(約908兆4800億円)に上ると推計される。
国連のチーフエコノミスト兼経済開発担当事務次長補のエリオット・ハリス氏が、国連本部で行われたWEB記者会見で同報告を発表した。ハリス氏は、「経済が危機の中から回復するペースと力は公衆衛生措置がウイルスの伝播を緩和する上で効果を上げることによるだけでなく、各国の保護活動と税負担能力によるところが大きい。特に社会の最も弱い人々を保護する能力による」と述べた。
同報告は、「ここ数週間は新型肺炎による新たな感染者と死者の増加ペースはどちらも鈍化しているが、感染症の今後の展開と経済社会への影響にはなお不確実性がある。生命を救うことと経済を救うこととの間で、一部の国の政府は制限を慎重に解除し始めており、これによって経済の急速な発展を期す。回復の取り組みは公衆衛生措置と財政政策がどのようにして共同効果を発揮し、それによってウイルスの伝播を阻止し、再感染リスクを最小限に食い止め、雇用を守って消費者の信頼感を回復するかによって決まる部分が大きい」と指摘した。
また同報告書は、「ワクチンの開発と治療措置に急速な進展がみられない状況の中、新型肺炎発生後は世界の貧困と不平等がさらに激化し、回復が遅れ経済が不況に陥る可能性が高まる。予測では、21年になれば世界経済は緩やかに回復上昇する。貿易と観光業がマヒ状態に陥る中、発展のための協力を強化し、新型肺炎を抑制し、感染状況が最も深刻な国に経済面と金融面の支援を提供することが、急速な回復を遂げて世界を再び持続可能な発展の軌道に戻すための重要なカギになる」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月14日