【フランクフルト=加藤貴行】ドイツの高級車メーカー、アウディ、BMW、ダイムラーの3社は4日、通信機器大手ノキア(フィンランド)のデジタル地図・位置情報子会社、独ヒアの共同買収を完了したと発表した。買収額は28億ユーロ(約3800億円)で独3社が均等に出資する。自動運転車の運用に欠かせない地図サービスの拡充を図る。
8月の買収合意時点では2016年1~3月の買収完了を見込んでいたが、当局の承認が円滑に進み時期が早まった。
ヒアは日本を含む世界の自動車大手と取引し、欧米市場の標準搭載のカーナビゲーションでは8割のシェアを握る。買収後も経営の独立性を保つため、独3社以外の取引には影響がないとしている。
自動運転を巡っては、自ら地図情報を提供する米グーグルも車両開発を進めている。独3社は高級車販売で競う関係だが、ヒア買収では手を組みグーグルに対抗する陣営を作る。