内閣府が7日発表した10月の景気動向指数(2010年=100)速報値によると、景気の現状を示す一致指数は前月より2.0ポイント高い114.3と、2カ月連続のプラスだった。消費や生産など幅広い指標が改善し、1月(114.8)以来の高水準となった。
内閣府は直近数カ月の平均値などから機械的に判断する基調を「足踏みを示している」とし、5カ月連続で据え置いた。
指数を構成する10指標のうち、7指標が改善した。自動車や携帯電話、薄型テレビなど耐久消費財の出荷指数が前月比6.8%増と、3カ月ぶりに上昇した。小売業販売額も自動車や織物・衣服・身の回り品で増えた。設備投資に使われる機械の出荷や、鉱工業生産指数も上向いた。
数カ月先の景気を示す先行指数は前月より1.3ポイント高い102.9と4カ月ぶりに上昇した。企業が抱える在庫がはけ、今後の生産が増える可能性を示した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮崎浩シニアエコノミストは「企業が増産に慎重だった結果、在庫が過度に積み上がらずに済んだ。消費が持ち直せば生産増につながりやすく、景気後退局面入りは回避できた可能性がある」とみている。