日立製作所は9日、イタリアの鉄道会社トレニタリアから、在来線向けの通勤車両136両を追加受注したと発表した。受注額は約250億円になる。日立は11月にイタリアのアンサルドブレダの鉄道製造事業を買収しており、事業を継承した日立レールイタリアが手掛ける。日立は欧州で鉄道事業を強化していく方針で、今後も受注活動に力を入れる。
トレニタリアから先頭車両24両を含む2階建ての通勤車両計136両を受注した。最高運転速度は時速160キロメートル、座席数は94~183席で、発光ダイオード(LED)の照明や自転車を載せるスペースなどを備える。トレニタリアが運営するイタリア全土の1万6000キロメートル強の在来線に用いる。
日立は11月、イタリアの防衛・航空大手フィンメカニカから、修理・修繕事業などを除くアンサルドブレダの事業を買収した。アンサルドブレダはトレニタリアと2010年3月に最初の受注契約を結んでおり、今回の追加分を含めた総受注量は706両になる。
アンサルドブレダの14年の売上高は7億2800万ユーロ(約980億円)で、このうちイタリア国内が8割程度を占めている。