【NQNニューヨーク=古江敦子】10日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日ぶりに反落した。終値は前日比10銭の円安・ドル高の1ドル=121円50~60銭だった。米株高を背景に投資家心理が改善。運用リスクを取る姿勢が強まり、ドルと比べて金利水準が低い円には売りが優勢となった。
米株式市場ではダウ工業株30種平均が4日ぶりに反発した。前日までの株安に伴う円買い・ドル売りが一服。「15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ開始が決まる可能性が改めて意識され、持ち高調整を目的としたドルの買い戻しがみられた」(フォーリン・エクスチェンジ・アナリティクスのデービッド・ギルモア氏)という。
一方、円相場の下値も限られた。ニューヨーク原油先物相場は約6年10カ月ぶりの安値を付けた。下げが続く国際商品相場への警戒感は根強く、積極的に円を売る動きにはつながらなかった。
朝方発表された週間の米新規失業保険申請件数は前週から増加。11月の米輸入物価指数は市場予想ほど落ち込まなかったが、市場の関心は株価や原油相場の動きに集まっていたため相場の反応は限られた。
円の安値は121円66銭、高値は121円26銭だった。
円は対ユーロで続伸し、前日比85銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=132円95銭~133円05銭で取引を終えた。対ドルでのユーロ売りが、円に対しても及んだ。
ユーロは対ドルで3日ぶりに反落。前日比0.0080ドル安い1ユーロ=1.0940~50ドルで終えた。米株式相場の上昇で投資家心理が強気に傾き、ドルに対して金利水準が低いユーロの売りを促した。FOMCが来週に利上げを決めるとの観測が根強く、欧州中央銀行(ECB)との金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売りも出た。
ユーロの安値は1.0925ドル、高値は1.0972ドルだった。