268日間かけて、一人自転車で2万9576キロを走り、22省、5自治区、4直轄市を旅した男性・瀋洪さん(30)が今月6日午後4時頃、四川省の実家に戻り、「ついに帰ってきた、最高!」と感慨に浸った。
四川県青神県出身の瀋さんは今年3月13日午前8時、彼の「愛車」である自転車に乗って、青神県を出発。子供の頃からの夢だった自転車中国一周の旅を始めた。
瀋さんは取材に対して、「子供の頃から世界一周が夢だった。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着くのを待って、愛車に乗って、その旅を始めた」と話した。
当初、「危険だし、非現実的。青春を無駄にしている」と家族からは反対されていたという。しかし、瀋さんは一歩一歩努力して、家族の信頼を勝ち得て、応援してもらえるようになったという。
西藏(チベット)自治区、新疆維吾爾(ウイグル)自治区、内蒙古(内モンゴル)自治区、黒竜江省、雲南省、海南省など、瀋さんは中国のほぼ全ての省に、足跡を残した。標高5000メートル以上の高原から、何日も人の影も見ることができない無人地域、氷点下40度以下の極寒地、猛烈な暑さの沙漠地帯など、瀋さんは厳しい環境の地域も自転車で駆け抜けた。
「新疆ウイグル自治区の無人地域に行った時、熱中症になってしまった。4時間で車3台しか通らず、最終的に心優しいドライバーが助けてくれて、救いだしてくれた。その男性には本当に感謝している」と瀋さん。
瀋さんは写真や動画に268日間の旅の様子を収めている。
瀋さんは、「一番の難関はやっぱり孤独。孤独感を和らげるために、毎日、微信(WeChat)にその日あったことを綴り、モーメンツを通して、家族に無事であることを伝えていた。それに、友達もたくさんできた。毎回どれほどの困難があっても全て乗り越えてきた。そう思うと、途中であきらめる理由などなく、信念をもって頑張り通すことができた」と充実感を漂わせた。
瀋さんの外見も9ヶ月前とは大きく変わった。以前はどちらかというと色白で元気いっぱいといった感じの若者だった。しかし、今は真っ黒に日焼けし、様々な経験をしてきた落ち着きを見せており、友人たちからは「誰だか分からなかった」と言われたほどだという。しかし、「見た目は確かに大きく変わったが、気にはしていない」と瀋さん。
268日間かけて2万9576キロを完走した瀋さんは、すっかり落ち着きを感じさせるようになり、おおらかにそしてその視野もさらに広がったという。それらこそが、瀋さんにとって、今回の自転車の旅における最大の収穫だったという。
瀋さんは取材に対して、「中国は今ますます豊かに、強くなっている。人々は皆、安定した暮らしと仕事を手にしている。そんな祖国の素晴らしい山河を隅々まで見て回ったが、やはり家が一番ほっとできる場所だと感じた」と話す。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年12月11日