【NQNニューヨーク=岩切清司】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発した。終値は前日比82ドル45セント(0.5%)高の1万7574ドル75セントだった。一部の資源関連株に買い戻しが入ると投資家心理が改善。幅広い銘柄に買いが波及した。
相場をけん引したのは石油株だった。前日に来年の設備投資額を削減させると発表したシェブロンが2%高となり、ダウ平均を構成する30銘柄の中で上昇率が最も大きくなった。同様に設備投資額を抑える姿勢を示したコノコ・フリップスも上げた。
欧州では資源安で経営不安がくすぶっていたスイス資源大手グレンコアが債務削減計画を強化する方針を発表。株価が大幅高となったことも米市場で好感された。原油先物相場は5日続落となったが、資源関連企業が財務戦略の転換を示したことで買い戻しが優勢となった。
ダウ平均の上げ幅は205ドルに達する場面があったが取引終了に欠けて伸び悩んだ。取引時間中も上下を繰り返すなど、ボラティリティー/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE1E4E0E1E0EAE2E2E2E6E3E3E0E2E3E39BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX(変動率)の高さが目立った。
ナスダック/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE2EAE2E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX総合株価指数も4日ぶりに反発し、同22.307ポイント(0.4%)高の5045.172で終えた。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「エネルギー」や「ヘルスケア」など8業種が上げた。「公益事業」と「素材」が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億7000万株(速報値)、ナスダック市場は約16億9000万株(同)。
小売大手のウォルマート・ストアーズが高い。モバイル決済サービスへの参入を表明し業績への期待感が強まった。小型カメラのゴープロは買収への思惑を背景に急伸した。ダウ平均では製薬のメルクやボーイング、ゴールドマン・サックスが上げた。
一方で、業績見通しが市場予想を下回ったネットワーク機器のシエナが急落した。太陽光発電パネルのファーストソーラーも見通しが物足りないとして売られた。中国事業の低迷が明らかになった外食のヤム・ブランズも安い。機械・航空機器関連のユナイテッド・テクノロジーズやスポーツ用品のナイキも下げた。