【フランクフルト＝加藤貴行】デンマーク製薬大手のノボノルディスクは10日、米ＩＢＭと組みＩＢＭの人工知能型コンピューター「ワトソン」を使った糖尿病患者向けのサービスを開発すると発表した。ノボは糖尿病治療薬の世界首位。ノボが持つ関連データを組み合わせてワトソンがインスリン注射のタイミングなどを助言し、患者の負担を軽くする効果を見込む。

両社の提携では、患者から食事や運動などの情報を逐一クラウド経由で集め、ノボは蓄積した糖尿病関連のデータなどを提供する。ワトソンが個々の患者ごとに最適な注射のタイミングなどを解析し、助言する形を想定する。

ＩＢＭはヘルスケア分野をワトソン活用の有望な市場とみて、医療・健康情報を提供する部門「ワトソン・ヘルス」を立ち上げた。医療機関や企業との連携を進め、米ジョンソン・エンド・ジョンソンとも協力している。